共有物を使用する共有者の義務に関すること【⑤】

これまでは、共有物を使用する共有者がいる場合、その共有者の同意がなくても、持分の価格の過半数で共有物の管理に関することを決めて良いのか明らかでありませんでした。

しかし、今回の見直しにより、共有物を使用する共有者がいたとしても持分の過半数で管理に関することを決められることが明らかになりました。
管理に関することとは、物の賃貸(所定の期間)や建物の改修の他、砂利道をアスファルト道にするなどの軽微な変更等です。

なお、管理に関する決定が、共有者間の決定に基づいて共有物を使用する共有者に「特別の影響」を及ぼすべきときは、その共有者の承諾が必要です。
例えば、A、B、Cが各3分の1の持分で建物を共有し、過半数の決定に基づいてAが住んでいるとき、B、Cが事務所としてしまう使用しようとする場合、原則としてAの承諾が必要となります。

また、今回の見直しでは、共有物を使用する共有者は、 他の共有者に対し、自己の持分を超える使用の対価を支払う義務を負うとする規定が設けられました。

更に、共有者は善良な管理者の注意をもって共有物を使用する義務を負うことも明記されました。この結果、共有物を使用する共有者の責任によって共有物を失ったり壊したりした場合、他の共有者に対し、善管注意義務違反等を理由とした損害賠償義務を負うことになりました。

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