「空き家問題」対策として、「空き家対策特別措置法」改正法が令和5年6月7日の参議院本会議で可決・成立しました。
改正法では、放置すれば「特定空き家」になるおそれがある物件を新たに「管理不全空き家」に指定し、状況が改善されない場合、固定資産税の減額の措置を解除するとしています。
この「特定空き家」とは、次のような状態にある空き家です。
① そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある
② そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある
③ 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である
「特定空き家」と判定された後、行政の助言・勧告・命令等にも関わらず状況が改善されない場合は行政代執行、或いはそもそも所有者が不明な場合は略式執行が行われることになります。
この法案の実施主体は、住民に最も身近な行政主体である市区町村です。
市区町村にとって、「管理不全空き家の指定→固定資産税減額措置の解除」は「特定空き家の判定→行政代執行等」より、ハードルが下がった措置と言えます。
地域事情により異なるため一概には言えませんが、市区町村にとって、空き家問題対策実施の「ハードルが下がった」こともあり、「管理不全空き家」の指定は増えていくものと思われます。
相続等でご実家が空き家となってしまう可能性のある方は、今から事前予防の対策を検討しておくことが、これまで以上に求められてくるでしょう。