前回の記事で、ご自分で株式会社を設立する際の注意したほうが良いポイントについてお話ししましたが、
ここでは、持ち分会社についても確認しようと思います。
まず、出資者と経営者の関係についてです。
株式会社は出資者と経営者が別でも構いませんが、持ち分会社は、出資者が社員となります。
持分会社の社員は、会社負債に対する責任が、出資額を上限とする有限責任社員と、全額を支払う責任を負う無限責任社員の2種類あります。
持分会社は、この無限責任社員と有限責任社員の構成により、「合名会社」「合資会社」「合同会社」の3種類あります。
無限責任社員のみの「合名会社」、少なくても1名の無限責任社社員と有限責任社員の「合資会社」、有限責任社員のみの「合同会社」です。
持ち分会社は、出資者が社員となることから、社員間のつながりが強く、誰が社員になるのかについて他の社員に重大な利害関係を及ぼします。
なので、持ち分の譲渡には、原則として他の社員全員の一致が必要です。
他にも以下のような特徴があります。
・内部関係の規律について定款自治が認められ設計が自由なこと
・機関について株式会社のような規制がないこと
・社員の議決権が原則として1人1議決権であること(出資額に応じて変更すること等も可能です)
持ち分会社は、社員になろうとする方が定款を作成し、本店の所在地にて設立の登記をすることによって成立します。
定款は、株式会社と同じく電磁的記録を持って作成することができますが、公証役場での認証が不要です。
定款認証代が浮きますし、登録免許税も安いので、株式会社と比較して設立費用や維持費用が安く簡単に設立できます。
定款に記載すべき事項(絶対的記載事項)は次の6点です。
・目的
・商号
・本店の所在地
・社員の氏名又は名称及び住所
・社員が無限責任又は有限責任であるかの別
・社員の出資の目的(有限責任社員は金銭に限る)及びその価額または評価額
なお、合同会社の場合、全員が有限責任であることからも、合同会社の社員になろうとする人は、定款の作成後、合同会社の設立の登記をするまでに、その出資の関する金銭の全額を払いこむ必要があることに注意が必要でしょう。
以上、持分会社の特徴と設立する際のポイントとなることについてお話いたしました。
持分会社の成立には、他にも注意点がありますので、ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。