前号にて、自筆遺言書を作成する上で重要な民法の方式についてご案内いたしましたので、
今回は本制度にて定められた様式について記載します。
本制度を利用するには、民法の方式と本制度の定められた様式(以下の①~⑤)の両方に則して作成する必要があります。
〈本制度の様式〉
①用紙のサイズはA4
文字の判読を妨げるような模様、色彩等がないものである必要があります。
② 余白の確保
上側5ミリメートル
下側10ミリメートル
左側20ミリメートル
右側5ミリメートル
の余白が必要です。
③片面のみに記載
裏面には何も記載しないようにします。契印も不要です。
④各ページにページ番号を記載
遺言書本文・財産目録には、各ページに通し番号で、ページ数を記載します。
なお、1枚のときも1/1と記載します。
下の余白(10ミリメートル)にかからないよう注意しましょう。
なお、最終的に何ページになるか分からない、という場合は、申請時に法務局へ訪問した際に記入するということでも良いです。
⑤複数ページでも、とじ合わせない。
封筒も不要です。
なお、「遺贈する」と記載した場合や遺言執行者を指定した場合、保管の申請用紙にそれらの事項を別途記載する欄があります。
また、本人が亡くなった後に、遺言書の閲覧の申請をすると、全ての相続人へ、遺言書が保管されていることの通知が届く、という点にも注意が必要です。
以上、2回に分けて自筆証書遺言保管制度について、ご説明して参りました。
個人的な感想になりますが、本制度は、申請の手数料は3,900円と安く、撤回は無料でできるので、
特に、相続人間で争う余地のない遺言を残そうとされる場合に、特に、お勧めできるのはないかと思います。