遺言書は、エンディングノート等と異なり、法的な効果を持つ法律文書です。
相続人は、遺言者の死後、遺言書によって、金融財産や不動産の売買や名義変更などを行うことができます。
他方、遺言書が無いと、遺産分割に関する相続手続きを進めるためには、相続人全員の合意が必要となります。
「相続人全員」です!
子がいない夫婦の夫が亡くなった場合、相続人は妻の他、夫の両親や兄弟、更にはその子となるケースがあります。
この場合、妻は、夫と二人で築いてきた財産を相続するために、殆ど交流の無かった親戚に事情を説明し、遺産分割の合意を得る必要があるのです。
「うちは仲がいいから大丈夫」「遺すような財産がないから」など、遺言書を書かない理由はいくつかあります。
しかし、遺産分割事件の認容・調停成立件数の表で示すように、いわゆる『争族』は、遺産の価額が1000万円以下で35%、5000万円以下で43%の割合で起きています。
「争い」が起きるのは、お金持ちではなく、むしろ一般的なご家庭で起きる割合の方が高いのです。
自筆証書遺言を法的に有効なものとするためには、記載方法に守るべきルールがありますが、それほど難しいものではありません。
作成する前に、書籍やネットにて調べられても良いですし、間違いなく有効な遺言書を作成したい、という方は私宛にご連絡いただいても構いません。
遺族に余計な手間や心配事を残さないようにするため、先ずは、還暦頃のお元気なうちに、自筆での遺言書を遺すことをお勧めします。
どうぞ、よろしくお願いします。